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営業時間 平日9:00 - 17:00
目次
「下穴あけ、タップ立て、締め付け」を「ねじ一本で行う」ことが出来る多機能ねじの一つが 『ドリルねじ』です。ドリルねじは主に鋼板や硬質ボード、木材を鋼板に固定するファスナーとして卓越した締結作業性と信頼性、またコストパフォーマンスに優れたねじとして建築の現場で幅広く利用されています。
写真 ドリルねじ HEX
ドリルねじはねじの先端が「切り刃先(ドリル刃)」となっており
からなっています。
ねじ込むことでドリル部は下穴を開け、ねじ部は取付材や下地鋼板に「めねじ」を刻み(タップ立て)、下地鋼板と頭部の間に挟まれた取付材は圧縮され、ねじの「軸」は引き延ばされることでそれぞれに発生する弾性力が予張力(軸力)として蓄えられ締結物はしっかり固定されます。
また、ねじ部により下地鋼板へ作られた「めねじ」はドリルねじのおねじとピッタリと接触するので高い摩擦力を生み、高い保持力を持つ緩み難いねじ締結となります。
ねじ込む際に大きな力を必要とするためハンドツールを使用た手動でのねじ込み作業は困難で、ねじ込み作業には電動ドライバーなどの動力工具を使います。
※頭飛びを避けるためインパクトドライバーは使用しないでください。
ドリルねじは主にどれくらいの厚さの板厚を削孔するかによってドリル部の形状が決まります。この縦長の溝を掘り込んだドリル部のことを「フルート」と呼びます。
「薄板用」
約1-1.2mmの薄板鋼板において高い保持力で締結できる、かかり代の大きな形状のねじ山です。ねじピッチはBタッピン(タッピング2種)と同じ規格でねじ込み作業性の良いものです。ドリルネジではこちらを並目(標準)としています。薄板に対して高い保持力で締結出来ます。
「標準板厚用」
多く使われる約2.3-4.5mmの板厚において用いられるいわゆる標準品です。鋼板に対して保持力とねじ込み性をバランスさせています。ピッチは薄板用と同じ並目です。
「中厚板用」
ねじ込みトルクを低減する様にねじ山の一部を切削加工し、ドリル部に縦長の溝を掘り込んだ※スレッドカット付ロングフルートで約4.0-6.5mmの板厚に適応します。ねじピッチが狭い細目のドリルねじ(マシンねじ)としてねじ込み抵抗を減らす工夫をしているものもあります。
※スレッドカット ねじ山の一部分を切り欠くことによって切り刃を形成する事
「厚板用」
約6-13mmの板厚に適応させるためスレッドカット付超ロングフルートとなっています。※細目ねじと組み合わせてねじ込み抵抗の低減を図っているものもあります。
他に硬質ボードや木材などを取り付けるための「リーマ付」や「パイロット付き」といった形状のドリルねじがあります。
リーマ付
ドリル部で開けた穴の径を広げる為の刃のことを「リーマ」と呼びます。通常ドリル部の端にはウィング状の刃が2枚付いています。締付けの際に木材などの軟質材を進む際、ドリルで開けた穴の径を広げる刃として機能し、硬い鋼板部分に達するとはじけ飛び役目を終えます。
パイロット付き
ドリル部から延びる軸の平滑な部分と先端ドリル刃を含んだねじの先端部分をパイロット部と言います。形状を工夫し削孔する場所とめねじ立ての間に距離を持たせることで厚みのある取り付け部材を締結出来るようにしています
ねじ山ピッチの比較 (順に なべドリルねじ なべタッピン2種ワッシャーヘッド なべ小ねじ)
ドリルねじは基本的にめねじ立てを自ら行う※タッピングねじの2種(Bタッピン)と同じねじ山ピッチ(ねじ山とねじ山の頂点間の距離)を持っています。ナットと組み合わせて締結するボルトや小ねじ(マシンねじ)と比較すると粗いピッチであることが分かります。
※マシンねじ Mネジとも呼ばれるメートルねじ
リード(ねじを一回転させた際に軸方向に進む距離)が大きくなるのでねじ込み作業の効率が上がります。その際の必要な回転させる力(これを締付けトルクと呼びます)、下地材に刻むめねじのねじ山の強度やねじ山の接触面積などのバランスが考慮されたねじ山です。
※
タッピングねじ(タッピンねじ 【リンクをクリックすると別タブで販売ページが開き移動します】)
下穴へ自らめねじ立てを行いながら締結することのできるねじ。ドリルねじとは異なり予め締結部材への下穴加工が必要です。主に流通しているものは1種(A) 2種(B) 3種(C)で、2種が中間の粗さのピッチを持ちます。
締結する条件を満たすためドリルねじにも様々な頭部形状があります。その一部をご紹介します。 ※リンクから別タブの販売ページへ移動出来ます。
締付け工具としてスパナやソケット、+ドライバーを用いる一般的ですが様々な特殊なドライブ(駆動溝)を持つものもあります。
ドリルねじは用途・相手材・下地材により選定します。
取り付けるかによりねじの種類や頭部形状、素材や表面処理を決定します。また下地材と取付部材の種類と板厚及び構成によりねじの※呼び径、長さ、ピッチを決定します。
※呼び径 おねじを基本としたねじ山の直径の事。ネジの呼びともいい頭部の直径ではありません。
標準的なねじの呼び径と長さに対するドリルねじの適応板厚(メーカーにより名称が異なる)はメーカにより多少の違いはありますが概ね次のようです。
※適応板厚:ドリルねじで下穴開け・タッピングを行って締結可能な状態にできる板厚
鋼板に鋼板を取り付ける場合の参考値は次の通りです。
鋼板に鋼板を取り付ける場合の適応板厚 | ||
---|---|---|
呼び径 | ねじ長さ | 適応板厚t |
3.5mm | 13mm以上 | 1.2-2.6mm |
4(4.2)mm | 13mm以上 | 1.6-3.6mm |
4.8(5)mm | 13mm-16mm | 2.0-3.8mm |
16mm以上 | 2.0-4.5mm | |
6(6.3)mm | 16-19mm | 2.3-4.6mm |
25mm以上 | 2.3-6.0mm | |
中厚板用6mm | - | 3.2-6.5mm |
厚板用5.5 or 6mm | - | 6.5-13.0mm |
また、ボード類(上部鋼板を含む)を鋼板に止める場合の参考値は次の様になります。
ボード類(上部鋼板を含む)を鋼板に止める場合の適応板厚 | ||
---|---|---|
呼び径 | ねじ長さ | 適応板厚t |
4(4.2)mm | 25mm以上 | 1.6-4.5mm |
4.8(5)mm | 30mm以上 | 2.0-6.8mm |
6(6.3)mm | 25-80mm | 2.3-7.1mm |
90mm以上 | 2.3-9.1mm | |
中厚板用6mm | - | 3.2-9.5mm |
厚板用5.5 or 6mm | - | 6.5-13.0mm |
最大適応板厚はドリル刃の長さ(ドリル部のテーパー部を除く)で決まります。
締結の際、締結する板厚Tが最大適応板厚を超えないようにします。締結する板厚は次のように考えます。
例えば、鋼板を上下2枚重ねた締結の場合、締結する板厚T (上部鋼板の板厚t1+下地鋼板の板厚t2)が最大適応板厚以下となる様にします。
T=t1+t2≦(最大適応板厚)
上部鋼板に先穴(ドリルねじの呼び径より僅かに径の大きなバカ穴)が開いている場合は上部鋼板の板厚は締結する板厚Tにカウントしません。
T=t2≦(最大適応板厚)
また、重ねた鋼板の間にボードを挟み込む場合、締結する板厚Tは(上部鋼板厚t1+ボード厚t2+下地鋼板厚t3)になります。
T=t1+t2+t3≦(最大適応板厚)
そして上部鋼板に先穴がある場合の締結する板厚Tは(ボードt2+下地鋼板t3)になります。
T=t2+t3≦(最大適応板厚)
最大適応板厚より締結する板厚が大きくなると上側鋼板を持ち上げる「ジャッキ現象」が起きる、「ねじの先端が焼付く」、
「取付物が破損する」といったトラブルが生じます。
これらのトラブルはねじが一回転する間にドリル刃か削孔する距離とねじ山部分が一回転することで進む距離(これをリードと呼びます)とが異なる為に生じます。
下側鋼板への削孔と上に重ねた部材へのタップ切りが同時に行われると
【ドリル刃の削孔する距離】<【タップ切りの距離(ねじのリード)】
である為、
ドリルの削孔できる速度を超えてねじを無理やり押し出そうとする力がねじ部で発生し
等のトラブルが発生します。
こうした問題を避けるために上記の様に考察し、締結板厚をドリリングとタッピングが同時に起きないように最大適応板厚以下にします。
木質材や厚いボードを取り付ける場合や鋼板の間に厚い断熱材を挟み込んだりする場合にはリーマ付やパイロット付き、半ねじタイプを用います。
ドリル刃後端に取り付けたリーマ(はね)により削り取られるため木質材へはねじ山が掛からず推力が生まれません。リーマは下地鋼板に達すると飛び散ります。
「スタッド」などの薄い軽天下地材へ使用するとリーマが飛散しないことがあります。この場合は「軽天ビス」「ドライウォールねじ」などの【ドリリングタッピンねじ】を使用します(下の「参照」をご覧下さい)。
断熱材やボード類を挟み込む場合挟み込まれる素材にねじ山が形成される場合はパイロット付きで対応します。
間に挟まれる部材がねじ山の形成されない断熱材等の場合には半ねじタイプでも対応できます。
※半ねじタイプ
<半ねじ>先端から軸の途中までねじ山が切られてます。軸の半分にねじが切られているわけではありません。軸の全体にねじ山があるものは全ねじと呼びます。
【参考】
ドリリングタッピンねじ
ドリルねじの様に自ら下穴を開けタップ立てをし締結するねじです。鋭い先端を持っています。
石膏ボードなどを1mm以下の「スタッド」や「バー」と呼ばれる軽鉄(軽量鉄骨材やLGS【Light Gauge Steel:ライトゲージスチール】とも呼ぶ)や木材へ固定するために用いられるものは「軽天ビス」や「ドライウォールビス」として知られています。釘に比べて引抜強度が高く長時間緩み難いという特徴も有ります。
写真 ドライウォールねじ 皿フレキ付※
※フレキ付き
<フレキ>とはフレキシブルボードのこと。弾力性、柔軟性、加工性に優れ内装下地や間仕切りに利用されますが、皿ねじのねじ頭がザグリ加工(皿グリ)無しでは沈みません。これを解決するため皿頭の座面に凸を設けてフレキシブルボードにザグリ加工なしで使用できるようにしたねじです。同様な突起を持つねじを「フレキ付」や単に「フレキ」と呼びます。
ドリルねじを使って確実な締結を行うには適応板厚と共に「働き長さ」(最小・最大)も考慮しドリルねじの呼び長さを選定する必要が有ります。
※「働き長さ」
締結時の取付け物と下地鋼材の厚みを加えた物です。
※「呼び長さ」
ねじを注文する際の「長さ」のことです。基本的にはおねじの座面(首下)から先端までの長さを言います。皿頭の様に頭部高を含む物もあります。
一般に最大働き長さは「下地材より完全に突き出たねじ部の3ピッチ(3山)を除いた有効な締結長さ」とされます。
計算式は次の通りです。
(最大働き長さ)=(ねじの呼び長さL)-(テーパー部を含む切り刃の長さ)-(3ピッチ)
※皿頭は他のタイプと異なり呼び長さに頭部高さを含めます。
※半ねじタイプでは最小働き長さも考慮します。
※半ねじ 頭部がある雄ねじを持ち、円筒部の一部にねじが切られているものです。首下の半分がねじ部という訳ではありません。
(最小働き長さ)=(ねじの呼び長さL)-(ねじ山の長さb)-(テーパー部を含む切り刃長さ)+(1ピッチ)
ドリルねじの選定にかかわる「ドリル刃の形状」「適応板厚」「働き長さ」についてのご説明は以上となります。
【参考】
ドリリングタッピンねじの長さは「突き出し長さ」+「取付物の厚さ」とします。
突き出し長さは呼び径により決まっています。
突き出し長さ | |||
---|---|---|---|
呼び径 | 3mm | 3.5-4.2mm | 4.8mm |
突き出し長さ | 8mm | 10mm | 12 |
ドリルねじによる締結作業の基本について確認します。
ドリルねじの打込みには、通常クラッチ機構付きドリルねじ用電動ドライバーを使用し、単発打ちまたは連続打ちで作業が行われています。締め過ぎに注意するために電動ドライバーのストッパー(深さ調整機構)を利用します。ねじの締め過ぎは、ドリルねじを正しく選択してもねじの頭とびや破断や空転、あるいは沈み過ぎなどのトラブルを生じます。
インパクトドライバーを使用すると、ねじ部が固定に近い状態で頭部が強い回転と衝撃を受けます。過度の力が首下の最も細い谷部に集中し頭飛び(破断)を起こすリスクが増大しますのでお勧めできません。
締結作業の効率を劇的に向上させるドリルネジですが、利便性を最大限に生かしながらトラブルを回避し安全・確実に作業を行うためにはドリルねじの特性を正しく理解することは不可欠です。
メーカ各社が工夫を凝らした特長あるブランドドリルねじがあります。その一部をご紹介します。
※リンクにて別タブのブランドドリルねじの各販売ページへ移動出来ます。
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住所 | 〒578-0957 大阪府東大阪市本庄中2-3-6 |
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