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ねじ締めを行うときに切り込みが入ったリング状の小さな部品を見かけたことはありませんか?この部品、名前を“スプリングワッシャー”と言います。 英語表記では“springwasher”, “spring lock washer”です。ばね座金やばね座、また【ばねSpring】の“S”をとり「Sワッシャー」といった呼ばれ方をすることもありSWと略されもします。
このコラムでは、よく見かけるけどよく分かっていない“スプリングワッシャー“の役割・サイズ・使い方についてご紹介します。
目次
スプリングワッシャー(SW)は、鎖の輪を少しひねったたような形の座金―ボルト・ねじやナットと被締結材との間の座面に配置する部品―で、ねじを緩みにくくするための物です。
ボルトとナットなどの間に挟んで締め付けると、切り口部分が押さえつけられ変形します。その時生じる反発力により緩み止めとして作用します。規格はJIS B 1251「ばね座金」です。
スプリングワッシャーの表面処理は主に三価クロメート、溶融亜鉛メッキ、ニッケルメッキなどが使われています。規格は前述したJIS B 1251ですがそれ以外にメーカーの特寸品があります。
スプリングワッシャーに使われる材質には、硬鋼線(鉄)の他、ステンレス、リン青銅などがあり、チタン等で作られる特殊なものもあります。
SW「ばね座金」はその名のとおり、ばねの反発力(弾性力)を利用します。ボルトとナットなどの間に挟んで締め付ける際に押しつぶされて変形することで生じる「弾性力」が緩み方向へ回転したり、座面が沈んだり、振動などによって減少するねじの「軸力」を補うことで、ボルトとナットが緩むのを防ぐ効果や緩んだ際の脱落を防ぐ効果を発揮します。
実は「ボルト」も弾性体です。“ねじ締め”をすると軸部分は引き延ばされ元に戻ろうとする力「弾性力」が生じます(被締結物も押しつぶされて元に戻ろうとする弾性力が発生します)。このボルトに生じる弾性力を「軸力」と呼びます。この軸力が保たれている間、ねじは締結力を発揮し緩みません。
ねじ・ボルトが引張力により引き伸ばされ元の長さに戻らなくなることを「降伏」と呼びその時の力の大きさを「降伏点」と呼びます。
スプリングワッシャーを使用すると、手締めの際に締め付けトルクの変化を感じることが出来ます。手応えでしっかり締結出来ていることが確認しやすく、締結の確実性を増すことも知られています。
また完全に緩んでねじが脱落してしまう前に、ねじの緩みかけの状態を目視で確認できるため、増し締めする時間の猶予を生み出せます。
そして昨今ではネジ締めの際のトルク変動がつかみやすいので、工場での製品組み立ての自動化の為にも利用されます。
手軽で利用しやすいスプリングワッシャーですが、SWのみでは高い緩み止め効果や確実な脱落防止の効果を得るのは難しいです。確実な緩み止めを必要とする場合は他の緩み止め手段の検討をお奨めいたします。
スプリングワッシャーの中で最も流通量が多いものはスプリングワッシャー2号と呼ばれている製品です。
こちらは一般用のボルトや小ねじ(強度区分4.8相当まで)および強度区分5相当までのナットとの組合せで使用します。
それよりも大きな荷重に対応する「重荷重用」のスプリングワッシャー3号という太い製品もあります。こちらはボルト強度区分8.8相当および強度区分8相当までの使用が想定されています。
ここからはスプリングワッシャー2号の寸法を例に、サイズについて解説いたします。
スプリングワッシャーのサイズは、以下の5つの要素で表されます。
スプリングワッシャー2号の呼び径は、M2、M3、M4、M5、M6、M8、M10、M12、M14、M16、M18、M20などがあります。
呼び径 | 内 径 | 外 径 | 断面寸法 | 厚 み |
---|---|---|---|---|
M2 | 2.1 | 4.4 | 0.9 | 0.5 |
M3 | 3.1 | 5.9 | 1.1 | 0.7 |
M4 | 4.1 | 7.6 | 1.4 | 1.0 |
M5 | 5.1 | 9.2 | 1.7 | 1.3 |
M6 | 6.1 | 12.2 | 2.7 | 1.5 |
M7 | 7.1 | 13.4 | 2.8 | 1.6 |
M8 | 8.2 | 15.4 | 3.2 | 2.0 |
M10 | 10.2 | 18.4 | 3.7 | 2.5 |
M12 | 12.2 | 21.5 | 4.2 | 3.0 |
M14 | 14.2 | 24.5 | 4.2 | 3.0 |
M16 | 16.2 | 28.0 | 5.2 | 4.0 |
M18 | 18.2 | 31.0 | 5.7 | 4.6 |
M20 | 20.2 | 33.8 | 6.1 | 5.1 |
スプリングワッシャーは、ボルトやナットと組み合わせて使います。
順番の例としては、上からボルト、スプリングワッシャー、(丸ワッシャー)、被締結物もしくは部材、(丸ワッシャー)、(ナット)と挟み込んでいきます。
※( )は場合によっては使用しません。
丸ワッシャーと組み合わせて使用する場合と単体で使用する場合があり、丸ワッシャーを使う時はボルトやナットと丸ワッシャーの間に、使わない時はねじ・ボルトやナットと部材の間に組み込ませます。
スプリングワッシャーは上下の向きを気にする必要はありません。通常のねじは右に廻すと締まる「右ねじ」です。スプリングワッシャーは通常この右ねじに対応するように加工されています。ごく稀に左回しで締め付ける「左ねじ」と呼ばれるねじが使われている場合があります。その時は逆巻(左ねじ用)のスプリングワッシャーを用いてください。
また、ナットを使わないケースではボルトの頭部と固定するモノに対して、スプリングワッシャーを取り付けましょう。
ただし、部材自体がスプリングワッシャーと直に接する場合、締結部材が傷つき破損してしまうこともあります。アルミなど相手が傷つきやすい場合は必ず丸ワッシャーを組み合わせて取り付けましょう。
ばね力を利用するばね座金にはSWの他にも形状が異なる種類が複数あります。部材や用途に合わせて適切なものを選んでいただけます。
スプリングワッシャーはそれほど軸力を高める必要のない一般的なねじ締結における簡易な緩み止めとして手軽に広く利用できます。加えて、これが有ると無いとでは、その締め付け具合に大きな差が出てくる場合もあります。もしかすると今は利用していない箇所であってもスプリングワッシャーを使用したほうが良い箇所があるかもしれません。部品としては地味ですが、メンテナンスやパーツの交換をするときに簡単に追加装着でき、簡易な緩み止め効果を期待できる点は大きなメリットと言えます。
購入に関してのアドバイスを一つ。業者の方は勿論、DIYを趣味にされている方にもまとめ買いがおすすめです。必要に備えてサイズ、材質、表面処理等を吟味し「まとめ買いOK」のお店である程度まとまった数を一度に購入しておけば、都度購入するより時間の節約ができ金額的にもお得です。またそれほど大量に必要としない方もパーツボックスに複数サイズ、素材ごとのスプリングワッシャーをバラ売り対応のお店にて揃えておけば管理しやすく、利用したいのに用意していなかった、なくしてしまった、などの事態を避けることができます。慌ててホームセンターに買いに走ることなくいつでも利用できます。
ここまでスプリングワッシャーの役割・サイズ・使い方についてご紹介しました。
スプリングワッシャーのまとめ買いは、サイズが豊富なねじコンシェル.comをご利用ください。またばら売りにも対応しております。お気軽にご用命下さい。ねじコンシェル.comはスプリングワッシャーほか各種締結部品が揃っており、お探しのねじ、ボルト、ナットが見つかります。
会社名 | 藤本産業株式会社 |
住所 | 〒578-0957 大阪府東大阪市本庄中2-3-6 |
FAX | 06-6747-5894 |
URL | http://www.neji-concier.com |
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